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鈴木健太郎さん(369商店 店主/京都オーガニックアクション 代表)

鈴木健太郎さん(369商店 店主/京都オーガニックアクション 代表)

京都府北部にある園部町で「369商店」という八百屋を営む鈴木健太郎さん。八百屋といっても店舗を持たず、車に野菜を載せて運ぶ移動販売というスタイルで、週に3回ほど亀岡市や京都市内をまわっています。JIKIで販売しているスープやジュースに使う野菜や果物は、主に鈴木さんを通じて農家さんから仕入れています。 本能的に自然とつながっていたいという思いから、田舎暮らしを始めて今年で12年目になるという鈴木さんの作業場にて、お話を伺いました。    どんな野菜を取り扱っているのですか? 369商店は“Eat Local, Live Organic”をスローガンに掲げています。自分が手が届く範囲という意味のローカル。でも、オーガニックの定義は難しい...。 369商店で扱う際、ただ単にオーガニックの野菜を作っているという生産者の野菜ではなく、やっぱり関係性を大切にしています。人となりがわかるような野菜が、自分の中での判断基準ですね。   JIKIにはどんな野菜を届けてくれますか? 亀岡市や園部町には、たくさんのオーガニック野菜を作っている人がいます。同じ野菜でも、作る人が違えば全く違うので、「夏のナスならこの人」「冬の大根ならこの人」など、信頼できる生産者の方にお願いしています。 単純に「おいしい」とか、「安心安全」といった価値だけでなく、やはり作り手である農家さんと、その先にある自然とのつながりを感じてもらうことが大事だな、と思い始めています。 野菜のことを知り、食べることの豊かさが分かる、そんな野菜をお届けしたいと思っています。   鈴木さんが代表を務める「京都オーガニックアクション」とはどんな組織なのでしょうか? 八百屋と農家、料理人の情報交流の場として、2017年から活動を始めたのが京都オーガニックアクションです。(2022年に一般社団法人を設立) 通常、オーガニックの野菜は既存の市場流通を使わないため、小売店などの事業者が生産者のところに仕入れに行き、流通しています。しかし、実際には物流や生産体制、売り先を確保できないなど、多くの課題があり、その解決のために事業者と農家が協力し合い、共同物流便を始めたことがきっかけでした。 つくる人とつなぐ人、食べる人がいろいろなかたちでつながり、その結果、日々の暮らしや地域社会、そして自然環境がより豊かになる社会を目指すプラットフォームです。 地域で生産されたオーガニック野菜が日常的に食卓に上がるような社会に少しずつ近づけていくために、引き続き活動していきたいです。   野菜を販売するだけでなく、ご自身でも栽培されているのですね。 はい。今は、へちまを育てています。そろそろ収穫して加工する時期になってきました。これは継続的に作っていきたい野菜ですね。 他には、雑草に紛れてどこにいったか分からなくなったニラが、花を咲かせて存在をアピールしてくれたり、もうだめかと思ってたナスが意外ときれいな実を付け始めました。 野菜は別に人間に食べ物を与えようと頑張っているわけではなく、ただ自身の生存のために生きているのですが、どれだけ放置している畑でもちゃんと恵みはあるし、予想外のことがたくさん起こるのが「農」の楽しさですね。    今後、取り組んでいきたいことはありますか? 田舎に拠点があるのが369商店の魅力です。野菜を購入してくれるお客さんも増えてきた一方で、まだまだ課題は多くあります。今後は自分の商売だけを積み上げていくのではなく、地域の課題をクリアしていく事業をいかに生み出していくかを考え、それを実行していきたいと思っています。    お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。...
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